2023-08-13 新しい宝物 津村記久子『水車小屋のネネ』津村記久子『水車小屋のネネ』(毎日新聞社)とてもあたたかい物語だった。 167頁にある藤沢先生の言葉に、そのたった2行の言葉に感動し、この482頁の物語は傑作に違わないと確信する。 読み終えたとき、本がつぶれてしまうほどの力で、ぎゅっと抱きしめたくなる愛おしい物語だった。津村さんの作品では、今まで『ポースケ』がいちばん好きだったけれど、ネネはそれを越える大切なものになった。 自分にとっての宝物がまたひとつ増えた。うれしい。 津村記久子『水車小屋のネネ』