内容にふさわしい器が欲しかった

梅田に出たので本屋に寄り『肝心(ちむぐくる)BEGIN ON BEGIN』を買う。その時、３月１日に創刊された『Rock　In　Golden　Age』（講談社）という雑誌の宣伝広告がレジの横にあったのでもらってきた。この広告、ビートルズの日本初公演翌日の「日刊スポーツ」の１面を、そのままコピー復刻したもので、読んでいると意外な発見があり面白い。

記事のリード部分を引用すると

２９日来日したイギリスのボーカル・グループ、ザ・ビートルズの日本初公演は、３０日午後６時４０分から東京・千代田区九段日本武道館で行なわれた。場内の機動隊３００人、私服２５０人、場外の警官１８００人に監視されたこの音楽会は、日本では初めて世界にも例のない全く珍しい音楽会となった。ザ・ビートルズの演奏時間は約３０分。この間ファンの喚声はザ・ビートルズの声を消すほど熱っぽかった。

この中で、音楽会という言葉を使ってるのが面白い。今ならコンサートと云うトコロだろう。それと、演奏時間が３０分とは驚き。短すぎる。記事にある演奏曲目をみると１１曲やってるから、ダーっと演奏して、ハイさようならって感じだったんだろうな。

ザ・ビートルズのメンバーはそのチーム名を書いた……（後略）

バンド名はチーム名と云ってたみたい。なんか時代が出てて面白いなぁ。

ウチに帰ってきて、『肝心』をパラパラ読んでみた。チラッと読んだ感じでは、３人の発言を上手くまとめてあり面白そうだ。かなり突っ込んだ発言もあるし。ただ言葉遣いが少し硬いように感じる。もうちょっと語尾を柔らかい感じにしてもよかったんじゃないかな。それにしても、この阿部久美子というヒトは３人のフトコロにうまく入り込んで話を聞きだしてるなぁ。

と、内容については一応満足してるけど、けっして安くない定価のわりに本の造り（造本）がお粗末すぎる！　まず本文用紙の紙質が悪い。たぶんこの紙は湿気に弱いから、保存する時に気をつけないと、スグに黄ばんでボロボロになってしまうだろう。あと、カラー写真の刷り色が悪いし……。この定価なら、もっと質の良い本が作れたハズだし、作って欲しかった。内容がいいんだから器も、それにふさわしい物にして欲しかったな。残念至極！