2007-10-09 本との距離感 坪内祐三『四百字十一枚』(みすず書房)より 私の場合、書評によってその刊行を初めて知る本は少ない。 だが、もちろん、書評で初めて知る本もある。それが興味ある本だとしても、私は、メモを取ったりしない。 記憶の奥にしまい込み、書店でその実物に出会った時に、ああそういえば、と思い出す。 ふらっと入った本屋で、出ることをまったく知らなかった大好きな著者の本を、おおっ、と見つけて買う、というのが究極の理想だけれど、これだけネットが普及して情報伝達速度が速くなると、もうそれもちょっと無理だし、現実的には、これくらいの本との距離感が理想かな。