おっさんの恋
夜、心斎橋クラブクアトロへおおはた雄一のライブを観にゆく。今回は、ギター・ドラム・ベースのサポートと、ゲストとしてbirdが出演する。
彼のライブは、やわらかい歌声に身を任せていれば、間違いなく楽しむことができる。彼の歌声を聴いていると、MCなんて一切必要ないんじゃないかと思えてくる。ただただ歌ってくれていれば、もうそれでいい。
ゲストのbirdも雰囲気は少し違うけれど、伸びやかで心地いい歌声だった。彼女が歌った「童神♪」は、ボサノバ風のアレンジで最高に好かった。まさかおおはた君のライブで「童神」が聴けるとは……。
今回初めておおはた雄一を聴いた友人も、ずっと気持ち良さそうに体を揺らしながら幸せそうな顔で聴いていた。
じつは、おおはた雄一のライブに行く楽しみは、音楽を聴くことの他にもうひとつある。それは、彼が使うギター(ギブソンLGー0)に逢うこと。
初めて逢ったその日から、このギターの音色とルックスにひと目惚れしてしまったのだ。もう最高にかっこいい。
例えば、夜寝ている時、右側に全裸の女性が、左側にこのギターが横たわっていたならば、迷うことなく左側に寝返り、ギターを抱きしめると思う。たぶん……。
でもほんと、なんとも素敵なギターなのです。このギターの写真が載っているというだけで、その2ページだけのために、2千円もする『アコースティック・ギター・マガジン』を買ったほど。
ギターに恋してしまったのですね。しかし、この想いがちょっと大変な事態をまねくことを、この時はまだ誰も知る由もなかったのである。