ブックオフを十分に楽しむ
午後、家から一番近いブックオフへ。
105円実用書棚で久々にケータイセドリ(おっさん)と遭遇する。本を抜いてはケータイでチェックしての繰り返し。なんだか癪に障ったので、おっさんの顔の横から棚を覗き込むふりをして邪魔したが、まったく意に介す様子がない。バカバカしくなって他の棚へ移動する。
そうすると次は、「イタリアに住んでる女の作家で、ローマ人の歴史を書いた本やねんけどなあ」という声が聞こえてきた。ちらっと顔を見ると、団塊の世代らしき男性が若い女性店員に尋ねている。「あ、はあ〜」と曖昧に答える店員。「もう最近、すぐに名前とか忘れてしまうんやわ」と、心なしか嬉しそうにその男性がつぶやく。「それは塩野七生の『ローマ人の物語』という本ですよ」と言いそうになるが、ぐっと我慢する。
どうやらそのあと、おじさんと女性店員の協力のもと『ローマ人の物語』を無事に探し出せた模様だった。
そんなおもしろエピソードのなか
各105円を買う。
『カラー版 日本の文学』は、川端康成・伊藤整・吉田精一監修のもと、子供向けに編まれた全集らしく、巻頭に次のような言葉がある。
「カラー版・日本の文学」は、明治以後の近代日本文学のうちでも、少年期に必読の作品をよりすぐって集めた全集です。
(中略)
「カラー版・日本の文学」を読めばたのしみながら国語の学習ができ、また美しい人格をきずくもととなるものと信じます。
ちなみに収録作品は、「末っ子物語」「擬態」「こおろぎ」「虫のいろいろ」「踏切」「華燭の日」「退職の願い」。シブいなあ。今となっては、ちょっと考えられんね……。