少し深く掘ってみれば
星野源ライブ(Zepp Namba)を観てきた。
ふつうライブに向かう道中は、その日にみるアーティストの音楽か、それに連なるものを聴くことが多いのだけれど、星野源に関しては、なぜか本を読みながら向かうことが多い。
もしかすると彼の音楽を聴くまえには、いっさいの音を排除したいと無意識のうちに思っているのかも分からない。
そしてライブでは、いきなり2曲目で大好きな「くせのうた」をやってくれ、それで完全にもっていかれたので、あとは彼の歌声にゆらゆら身を任せるだけ……。予定外のダブルアンコール(2階指定席の客の1/3は帰っていた)もあったりして、ほんまに素晴らしいものだった。
前回、サンケイホールで観たときには、ほんと若いひとばかりだったように感じたが、やはりファン層が広がったからなのか、今回は観客の平均年齢が少し上がっていたように感じた。
彼のことを語るとき、よく云われる「癒しの音楽」という言葉に、いつも違和感を感じている。たしかにそれも彼の音楽の一面ではあるが、でももう少し深く掘り下げたところに彼の音楽の音質があるように思う。
彼が書く歌詞には、日常のわかりやすい言葉が多く使われているので、そういう風に解釈されるのだろうけれど、そのやさしい言葉と言葉のすき間には、ぼくたちに見えているのとは少しずれたセカイが広がっているのではないだろうか。
それがどんなセカイなのかは、ぼくにもまだ分からないのだけれど……。
うーん、ちょっと考え過ぎかなあ。